マグネシウムとは|働きや摂取量、不足した時の症状など

マグネシウムとは|働きや摂取量、不足した時の症状など


日本人の生活は、食生活の半欧米化により、マグネシウム不足が慢性化してしまっています。
最近ではマグネシウムが不足すると生活習慣病のリスクが高まるとされています。

ここでは、そんなマグネシウムの基本的な知識や多く含まれている食材などを説明していきたいと思います。

マグネシウムとは

マグネシウムは人体を構成し生命活動をするために欠かせない必須・主要ミネラルのひとつです。
マグネシウムは体内に約25g程度存在し、その約60%は、カルシウムやリンと骨に含まれます。
残りの約40%は筋肉や肝臓、血液、脳、神経などに存在しています。

また、マグネシウムは、すべての細胞内に含まれ、体内のミネラルバランスのコントロールに役立っています。

さらにマグネシウムは、約350種類以上の酵素の働きに関係しています。
これらのたくさんの酵素に働きを促して、代謝などの反応がスムーズいくようにしています。

そして、マグネシウムは日本人が足りていないとされる栄養素の一つです。
350種類以上の酵素が必要としている栄養素で、特にエネルギー代謝酵素にマグネシウムが大きく関わることからも、不足すると大変になることが分かりますよね。

しかし、マグネシウムは体内で合成できない栄養素で、必ず摂取しなければならない必須ミネラルです。
食べ物やサプリメントなどで摂取することを心がけましょう。



マグネシウムの生理作用

マグネシウムは骨や歯の形成・柔軟性・弾力性を高めて骨折しにくくする働きがあります。

マグネシウムは骨において、カルシウムが骨に沈着するのを助けています。
せっかくカルシウムを摂っても、マグネシウムが不足してしまうと意味がないんです。

ですので、カルシウムとマグネシウムはなるべく一緒に摂るようにしましょう。

また、マグネシウムは血液中の濃度が下がってくると骨から溶け出します。
こうすることで血中濃度を一定にしようと働くのです。

骨はカルシウムの貯蔵庫であるのと同時に、マグネシウムの貯蔵庫でもあるのです。

マグネシウムが骨から溶け出す時に、カルシウムも同時に血液に溶け出します。
ですので、カルシウムだけでなく、マグネシウムが不足すると骨量が少なくなってしまいます。

骨の健康を保つには、カルシウムとマグネシウムの摂取量が、2:1~3:1くらいが良いと言われています。

それだけでなく、マグネシウムはカルシウムと一緒に、神経伝達や筋肉の収縮にも関わりを持っています。

筋肉の細胞では、カルシウムが細胞内に入ると、筋肉は縮みます。
一方、マグネシウムが細胞外へ出ると筋肉は緩みます。
このような働きで、血管が伸び縮みすることで、血圧がコントロールされているのです。

これは血管だけの話ではなく、心臓など他の筋肉でも、カルシウムとマグネシウムがあることで、収縮と弛緩を繰り返しています。

マグネシウムはこのように生理作用が非常に多彩であることが特徴的な栄養素です。

また、マグネシウムには、話題のセラミド、特に皮膚のバリアー機能に重要な役割を果たすアシルセラミドの合成に重要な働きをしています。
ですから、マグネシウムはアンチエイジングミネラルもといわれています。



マグネシウムの欠乏症

マグネシウム
マグネシウムが不足することで起こりうる病気には様々なものがあります。

生活習慣病(糖尿病、メタボリックシンドローム)をはじめとして、足のつり(こむら返り)、心筋梗塞、脳梗塞、うつ病、不整脈、悪阻、尿路結石(特にシュウ酸カルシウム結石)、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症、不眠、片頭痛、月経全症候群(PMS)、便秘、骨粗しょう症などの様々な症状を引き起こします。

なかでも糖尿病とメタボリックシンドロームの危険性は飛躍的に高まるため、注意が必要です。

マグネシウムの過剰症

マグネシウムは腎臓の働きで尿中に排泄する機能があるので、過剰症が出ることは稀ですが、お薬やサプリメントなどで多量にマグネシウムを摂取してしまった場合には下痢になることがあります。
実際にマグネシウムは下剤としても使われています。



マグネシウムの食事摂取基準

マグネシウム食事摂取基準の(推奨量)は、成人男性の場合はだいたい1日当たり340mg~370mg、成人女性の場合はおおよそ1日当たり270mg~290mgです。

2012年国民健康・栄養調査結果では、日本人の平均マグネシウム摂取量は236~248㎎で、充足率はわずか65%(男性)にとどまっているという現状です。

男性の場合は1日あたりマグネシウム摂取量で130㎎程度、女性の場合は80㎎程度不足しています。

マグネシウムを多く含む食材

マグネシウム

玄米(穀類)
1食分の目安量・・・1膳(150g)
成分含有量・・・64mg
糸引き納豆(豆類)
1食分の目安量・・・1パック(50g)
成分含有量・・・50mg
豆味噌(豆類)
1食分の目安量・・・大さじ1(18g)
成分含有量・・・23mg
油揚げ(豆類)
1食分の目安量・・・1/2枚(15g)
成分含有量・・・20mg
アーモンド(種実類)
1食分の目安量・・・適量(30g)
成分含有量・・・93mg
カシューナッツ(種実類)
1食分の目安量・・・適量(30g)
成分含有量・・・72mg
あおさ(海藻類)
1食分の目安量・・・適量(5g)
成分含有量・・・56mg
青のり(海藻類)
1食分の目安量・・・大さじ1(2g)
成分含有量・・・26mg
干しひじき(海藻類)
1食分の目安量・・・大さじ1(4g)
成分含有量・・・26mg
干しえび(魚介類)
1食分の目安量・・・大さじ1(6g)
成分含有量・・・42mg
煮干し(魚介類)
1食分の目安量・・・5尾(10g)
成分含有量・・・23mg

このような食品にマグネシウムが多く含まれています。
マグネシウムは体内で合成できない必須ミネラルですので、意識して摂取するように心がけて下さい。



マグネシウムの効率的な摂取方法

マグネシウムは基本的に加工していない食品に幅広く含まれています。
野菜や精製されていない穀類、種実類などに多く含まれています。

また、マグネシウムとカルシウムは、1:2~1:3の割合で摂取するのが良いとされています。

上記の食材を積極的に摂取することを心がけましょう。

また、マグネシウムは豆腐を作る際に必要な「にがり」に含まれている成分で、にがりでは塩化マグネシウムという形をしています。

ですので、豆腐を食べると塩化マグネシウムとして摂取できます。

しかし、スーパーなどで大量生産されている安い豆腐には、にがりではなくグルコン酸などの酸を使用して固めているものがほとんどです。

せっかくなら、お豆腐屋さんで売られている昔ながらの製造方法で作られた豆腐や、原材料を確認して「にがり」と記載されている豆腐を選びましょう。

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