亜鉛とは?|摂取量や食材、副作用や過剰摂取は?

亜鉛とは?|摂取量や食材、副作用や過剰摂取は?


亜鉛は味覚を正常に保ったり、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
そして、体内でエネルギーを作り、細胞分裂、免疫機能など、生きていくのに欠かせないものがあります。
ここでは、そんな亜鉛の基礎知識や作用などについて説明したいと思います。

亜鉛とは

亜鉛は体内に約2g程度存在しています。
もちろん個人差はあります。

成人ではそのほとんどは筋肉と骨中に含まれますが、皮膚、肝臓、膵臓、前立腺などの多くの臓器に存在し、さまざまな酵素の構成要素となっています。

また、亜鉛は味覚が正常に機能するのに大切な栄養素です。

他にも200種類以上の酵素が亜鉛を必要としていて、体内のあらゆる代謝に関わっています。

遺伝子に関わるDNAやRNAなどの核酸の合成、たんぱく質の合成、糖質・アルコールの代謝、免疫機能など、亜鉛が関わる代謝反応はさまざまです。

抗酸化作用への関わりとして、活性酸素から身を守る酵素の手伝いもしています。

亜鉛は細胞分裂にも必要な栄養素で、特に細胞分裂が盛んな胎児や乳児、幼児はよりも多く亜鉛が必須です。

ですので、妊婦や授乳婦は、亜鉛を多く摂取するように推奨されています。



亜鉛の生理作用

亜鉛には本当にたくさんの生理作用があります。
その中でも、核酸合成やたんぱく質合成に関わっていることは特に大切な作用です。

核酸の合成は新しい細胞を作り出す際に必要となります。
たんぱく質合成は体内のあらゆるものを作るのに必要となります。

いろいろなホルモン、免疫機能、身体の組織などがたんぱく質で出来ているので、いかに亜鉛に大切な働きがあるのかがわかると思います。
たんぱく質が上手に合成されないと、さまざまなところに影響が出るということです。

また亜鉛は舌にある味蕾にも関わっています。
私たちはこの味蕾で味を感じていて、いわば味を感じる細胞の集合体です。

そして、味蕾の細胞は生まれ変わる速度が速いのです。
味蕾の細胞は新陳代謝が活発で、新しい細胞の形成するときに亜鉛が大きく関わります。
だから亜鉛不足の状態が続けば、味覚障害になるのです。

もちろん、女性には美容面においても、亜鉛は非常に重要な栄養素です。

そして亜鉛は男性にとってとても大切なミネラルです。

亜鉛は男性の生殖器に多く存在しているからです。

前立腺や精子事態にも亜鉛は多く含まれています。
特に、精子のしっぽの部分の形成に亜鉛が必要なのです。

男性は意識して亜鉛は摂るように心がけましょう。



亜鉛欠乏症や過剰症

亜鉛
亜鉛は、体内に2g程度しか存在しないにもかかわらず、とても重要な働きがたくさんあります。
ですので、亜鉛が不足すると、体内のあらゆる機能が潤滑に作用しなくなってしまいます。

子どもの場合「成長障害」が起こります。
亜鉛は細胞分裂に欠かせない栄養素ですから、成長期には亜鉛が必要です。
成長期が終わるまでは亜鉛を十分に摂取するよう心がけましょう。

成人の場合、味覚異常、貧血、皮膚炎、うつ病、免疫力の低下などが起こりやすく、更に男性の場合は、精子数の減少などの性機能も減退します。

亜鉛不足や欠乏は鉄や銅の大量摂取により吸収が阻害場合に起こりやすくなるほか、加工食品に含まれるポリリン酸によっても起こりやすくなります。
加工食品を日常生活で多く利用している場合や、コンビニや外食などを多くしている場合に注意が必要となります。

過剰症に関しては起こる心配はほとんどありませんが、サプリメントなどで大量に摂取した場合には、銅欠乏、貧血、胃の不調などの健康被害や、めまい、吐き気などの中毒症状を引き起こす場合がありますので、含有量や摂取量に注意をしてください。



亜鉛の食事摂取基準

日本人の食事摂取基準(2015年版)では、1日の摂取の推奨量は18~69歳の男性で10mg、70歳以上の男性で9mg、18~69歳の女性で8mg、70歳以上男性で7mgとなっています。

亜鉛を多く含む食品

牡蠣

玄米(穀類)
1食分の目安量・・・1膳(150g)
成分含有量・・・0.8mg
糸引き納豆(豆類)
1食分の目安量・・・1パック(50g)
成分含有量・・・1mg
がんもどき(豆類)
1食分の目安量・・・中1枚(80g)
成分含有量・・・1.3mg
アーモンド(種実類)
1食分の目安量・・・10粒(14g)
成分含有量・・・0.8mg
カシューナッツ(種実類)
1食分の目安量・・・10粒(15g)
成分含有量・・・0.7mg
牡蠣(魚介類)
1食分の目安量・・・1個(60g)
成分含有量・・・2mg
たらこ(魚介類)
1食分の目安量・・・1腹(50g)
成分含有量・・・2mg
牛ヒレ肉(肉類)
1食分の目安量・・・適量(100g)
成分含有量・・・4.2mg
豚レバー(肉類)
1食分の目安量・・・1切れ(30g)
成分含有量・・・2.1mg
卵黄(卵類)
1食分の目安量・・・1個(18g)
成分含有量・・・0.8mg
パルメザンチーズ(乳製品類)
1食分の目安量・・・大さじ1(6g)
成分含有量・・・0.4mg
パルメザンチーズ(乳製品類)
1食分の目安量・・・大さじ1(6g)
成分含有量・・・0.4mg

このような食品に亜鉛が多く含まれています。
特に牡蠣は亜鉛の優秀な供給源です。
日頃からこれらの食品の摂取を心がけてください。



亜鉛の効率的な摂取方法

亜鉛は、クエン酸やビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まりますので、魚は酢締めにしたり、肉類や貝類などはレモン汁をかけたりして食べるとよいです。
更に亜鉛は、動物性のたんぱく質と一緒に摂取すれば吸収率が良くなります。

逆に、穀類や豆類に多く含まれるフィチン酸や食物繊維で亜鉛の吸収が阻害されます。
加工食品に含まれるポリリン酸も亜鉛の吸収を阻害するので注意して下さい。

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